冬の小鳥
石瀬琳々

かなしくてないているのか
さびしくてないているのか
雲の切れ間に青空
風に小さな羽根をふるわせて


うれしくてないているのか
いとしくてないているのか
透きとおった雪が流れて
目のなかに降るように


赤い実は熟れて
今日という日も光っている
愛というこころを
知っているのか知らんふり
小鳥 私の小鳥はないている
赤い実がほしいと
ついばんだら命が光ってゆく
静かに涙をこぼしている
胸のあたりがこんなにもくるしいの


やさしくてないているのか
せつなくてないているのか
木もれ陽に過ごす冬の日
うたを嘴にそっとのせよう、ほら


ああ 風は雲は
流れてゆく
冬の小鳥はうたっている
小さな羽根をふるわせて
愛というこころをふるわせて



自由詩 冬の小鳥 Copyright 石瀬琳々 2013-01-23 13:54:07
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