皿よりもナプキンがお好き
赤青黄
つるとつるつる つるつると
皿のふちに
小指を走らせる
あなた
の
ひょうじょうは
ひかっていた
小指はリズムに乗って指を走らせる
純白のダンスホールで踊る踊り子は
まぶしい蛍光灯の光を帯びてくるくると踊り狂う
回る 跳ぶ 廻る 走っていく
バレエの心を知らない人達すら魅了してしまう その踊り
ナプキンのドレス それは勿論白くて 美しい
白い肌に白いナプキンはああなぜこんなにも
しっくりくる
そんな踊り子を男達が見逃すはずも無く
皿は赴きを変えて 少しコじゃれた アンティーク調のホールにすり代わり
そこでは仮面舞踏会が開かれる
お手を拝借しようと
褐色肌の男達は 小指の踊り子を求めて 踊りの空間を蹂躙する
音楽はまるで水野都のように のんびりしているから
ちいさな追いかけっこを外からみれば
なんだか鬼ごっこのようで 笑えてくるから おもしろい
男達は小指を捕まえる前に 薬指のお姉さま方にダンスを申し込まれて
あえなく退散していった
さてももうこれで邪魔指はいないわ
と小指は白鳥をあしらったナプキンの衣装で
王子様の元へ駆け寄っていくのだった
蛍光灯の下の小さな踊り場で
人間達は指を絡ませながら
愛のうたを紡いでいる