白昼夢
伊織

言えないようなこと、
して。


知ってる。
昨日の夢で私は
人には聞かせられない吐息をついて
誰にも見せたことのない顔で
あなたしか知らない声で鳴いた。


ずるい。
私しか知らないあなた、
まだ見ていないのに。


触れたいんでしょう?
(その頂に右手を重ねて)
欲しいんでしょう?
(息が止まるくらい唇を塞いで)
夢を夢で塗り替える準備なら
ずっと前からできてる。


だから、
ねえ、
もう、
来て。


自由詩 白昼夢 Copyright 伊織 2013-01-23 01:20:44
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