ひとつの狂気
石田とわ








    あの男が死んだとき
    その亡骸をほしいとねがう
    ベッドに横たえて
    ともに眠り、
    おはようと朝をむかえる
    腐敗するそのさまを見つめ
    たかる蛆をとる
    やがては白き骨となり
    そのすべらかな身体に
    頬ずりをするだろう
    あの男が死んだとき
    報せないでほしい













            


自由詩 ひとつの狂気 Copyright 石田とわ 2013-01-20 06:04:42
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