遭難者
まーつん
あなたをぎゅっと絞り上げると
悲しみや後悔がぽたぽたと滴を垂らした
僕は舌を突きだしてそれを受けとめ
首を反らして飲み込んだ
夜のバーは光の島
僕はそこに流れ着いた遭難者
あなたという果実が
スツールの上に
たわわに実っていたので
僕は隣に腰かけると
それを捥いで食べたのだ
渇いた喉を潤してくれる水気は
涙の味がした
自由詩
遭難者
Copyright
まーつん
2013-01-19 19:39:29