放課後の音楽室で
そらの珊瑚

しゅんしゅんと沸く湯気の上はがされていく、ボクののりづけ

きぶくれた冬の雀がひだまりでおとぎ話の続きをうたう

かあさんの手冷たいねりっちゃんの手はあったかいね

火傷した誰かの指のためだけにわたしの耳はいつも冷えてる

しゃうと あんど しゃうと 音符なんか読めなくたっていい

鍵盤押せばフエルトで守られているハンマーを振り下ろしている小人たち

ヘ音記号とト音記号のはざまで名もない空間がふるえています

ぎゅっとしてても人ってうっかり離してしまうもの赤い風船

気の抜けたサイダーみたいな男がいいほんとの泡は隠し持ってて

玉じゃなく白旗が飛び出すような日常を引き金の先いつだって喜劇

たてがき よこがき ななめがき 方法なんていくらでもある 

猫にまたたび しびれるくらいの なかはらちゅうや ください

れ・みぜらぶる れ・みぜらぶる りぴーとあふたーみー れ・みぜらーぼー

さかだちをするように今空が海に変わります

べいびーあるぱかの夜はふけて はすきーぼいすの女になった

恋をしてちからいっぱいこぶむすぶ ほどける時はあっけないです

ダ・カーポを記した音符のなかだけできみはフィーネをとわにうたって


短歌 放課後の音楽室で Copyright そらの珊瑚 2013-01-18 10:01:38
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