何かの魔法によって
Oh!no!

新幹線で夢をみて、
覚めたら思い出せない。
夢なんてそんなもんだよって、
ずっと前に君と話したね。
思い出せない夢は、
いいんだか悪いんだか、
始末に負えないよ。
君が出てきた可能性も
ゼロではない。

これをどう考えるべきか、
煙草をふかしながら考えていた時、
君はたぶん眠っていたのだろう、
何かの魔法によって
すべてから守られて。
僕は逆に
開かない窓と、座席と、
すごいスピードによって
すべてから切り離されていた。
(実際理想的な場所だ)

僕の中の、いったいどんな認識が
僕をどんな現実から疎外させているんだろう。
そんな被害妄想みたいな想いを乗せても
のぞみは走るんだね。

ねえ、
君ならどう思うか、
今すぐに、聞きたい。
重要な事はもう
全て過ぎ去ってしまった、
そんな考え方は感傷的過ぎるだろうか。

電光掲示板によれば、
世間では、
孤独の対義語についての議論が
喧しいらしい。
真面目に考えるのは時間の無駄だけど
少なくとも
空間と時間が生まれた時に
人の孤独が始まったという説を
僕は支持しない。
順番が逆ではないか、
みなさん。

もうすぐ東京駅に着く


自由詩 何かの魔法によって Copyright Oh!no! 2004-12-21 20:11:52
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