誕生日
月乃助


悲しみのふきだまり
時の塵が 雪のように
ふりつもった

私の父は、元旦の夜に亡くなりました
四十四歳
心臓のわるい 人でした

長いときの 時のながい あいだ
なぐさめるように
それが、偶然だとおもっていました

因の重さもしろうとせず
果の味を たずねることもなかった
何かがあったから
気づいたのではないのです
連綿ということなのでしょうか

死の訪れが
選ばれたものの 指さしできめられるものだと
時に 人の口にのぼる

小さな私は、お正月を祝うことができず
それが悲しくて
死んだものをにくんだり したのかもしれません

死の意味を問う
人の意図が実ることがあるのなら
答えを解いた日
私は、長い間の自分のおろかさを 知りました

それならば、

私もまた 私の子に残してみる

いつか
クリスマスのその夜に
息をひきとる 私がいる

投げられた賽の目を知る人のよろこびで
子供たちは、サンタのお手伝いになるの?の顔で
私を見あげた

今はそれでよいのです 
ただ その日がきたら
お前たちもまた 私がなげるこのパズルを
解き明かせ









自由詩 誕生日 Copyright 月乃助 2013-01-13 19:28:42
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