もっぷ

空耳だったのかもしれないけれど
わたしはドアの鍵を開けたまま
外出した

帰宅すると少女が
ちゃぶ台のきちんと下の座に
膝っ小僧をそろえて少し眠たそうに
座っていた

よく知っている彼女の名を呼ぶと
彼女はやはり半分寝入っていたようで
あ、というふうに
こんにちはと微笑んだ

わたしも
わたしに向かって
こんにちはと微笑んだ


自由詩Copyright もっぷ 2013-01-13 01:14:15
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