エレベーターガールの哀しみと
梅昆布茶

あたいはしがないエレベーターガール
箱に入って一日上がったり下がったりしている

こんなんじゃ彼氏だってできやしない

あたいは孤独なエレベーターガール
人件費削減の為に
近々箱を追われるエレベーターガール

こんどはマネキンでも立たしときゃいいさ

箱が好きなわけじやないんだけど
他に行くところが無いんだ


屋上の遊園地には天使のようなガキ共がいっぱいでさ

まるで
見栄っ張りな
親のおもちゃの博覧会
中には天使のふりした悪魔だって混じっていて

親の眼を盗んではスカートの中に手を突っ込んだり
ソフトクリームなすりつけたりして
とてもあたいを惨めなキモチにさせるんだ

世界が滅びるまえに
こいつらが滅びればいいのにって思う

あたいはしがないエレベーターガール

箱の中で化石になるまでボタンを押し続けるだけ

いらっしゃいませ

あたいがエレベーターガール









自由詩 エレベーターガールの哀しみと Copyright 梅昆布茶 2013-01-12 05:34:08
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