恋わずらい
nick

重たい私を乗せてはしれ
帰りたくない家へと電車よ
スーツケースを持つ手は痺れ
ぴりぴりと虚脱への警鐘となる

人としてこうであれ
一部として箕帚執れ
朝のこの上なく美しい時間は
1秒ずつ花に分け与えよ

見えているものを見ないこと
見えないものが見えること
より欲しいのはどちらの能力かなんて
どうしていつまでも思案していられる?

野良猫が媚びて纏わり付く
スーツケースに抜け毛が付着する
もし可能であるならば
秩序というものを殴りたい


自由詩 恋わずらい Copyright nick 2013-01-08 23:38:16
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