歩き続けること。
元親 ミッド

上を見て、下を見て、前を見る。

右を見て、左を見て、後ろを見る。



天を仰ぎ、その空のcolorが沁みる。

鮮烈なる青、又は紫、あるいは朱。

ぼんやりとした灰色、または薄い青。

それは、風の色なんだけど

その時々の、己の心でもあるのだ。



そうして、その空に何を見るのか。

理想や、夢を思い描いたその瞬間

ぐっと、現実に引き戻されて

今度は、足元に視線を落とす。

足元も、やはりその日、その日で違っていて

ぬかるんで足が抜けなくなったり、

砂浜のようにずっしりと重かったり、

たまに歩きやすい芝生だったりもするけれど

まぁ、殆どが小石の多い砂利道だ。

足の裏が痛い。



そうして、己の立ち位置がわかったら

ようやく前を見る。

前を見るのに、時間がかかるね(笑)。



でも、そうしてようやく歩きだせるんだ。



前を向いて歩いていると、

右に綺麗な女の人が歩いている。

左の露店では美味しそうな料理が並んでいる。

そうね、誘惑がいっぱいあるんだ。

右に、左にきょろきょろしてたら

右や、左から聞こえてくるさ。

誰かさんのひそひそ話や、笑い声、

時には罵倒もあったりしてさ。

思わず耳を塞ぎたくなって

そうして今度は後ろを見ちゃう。

はたして、今まで歩いてきた道は正しかったの?

どうなんよ、俺?ってね。



で、後ろを見てみたけれど

どこから続いているのか

長い長い足跡があるだけで

それが正しかったのか、そうでないかなんて

さっぱりわかんないね。

だって、足跡しかないんだもん。



それで、後ろ見てても仕方ないやって

前を見る。

っと、目の前にぶつかりそうになった壁!



うーんって、その壁を見上げると

そこには、また空がある。

天を仰ぎ、その空のcolorが沁みる。



歩き続けることは、危険も確かにあるけれど

こうして冒険してみなけりゃ

たどり着けない場所だってあるんだ。

だから歩き続けるしかないんだ。

いつか、どこかで、その旅も終わる日がくるんだろう。

その時まで、こうして俺は繰り返す。



上を見て、下を見て、前を見る。

右を見て、左を見て、後ろを見る。



そうして歩き続けていくさ。


自由詩 歩き続けること。 Copyright 元親 ミッド 2013-01-06 20:17:15
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