勝利の女神
HAL
四人で卓を囲む麻雀には
勝利の女神がいかに気紛れかも分かるし
隠されていたそのひとそれぞれのひと柄が出る
石橋を叩いて割れてしまっても渡らない
慎重そのものだと想っていたひとが
意外なときに危険牌を捨て勝負に出る
一本気だと想っていたひとが
捨てられた牌を見ながら
とても繊細に打ち勝利を狙う獣性も出る
でもいまの若いひとたちは殆ど
四人で卓を囲み麻雀はしない
麻雀はゲームで一人で楽しみながらする
でもそれでは隠されたひと柄も感知できない
勝利の女神がどんな風にそのひとに
憑依するかが分からない
それは麻雀を愛するぼくからすると
彼らはとても大切なものを見抜く力を
失ってしまうことだと損をしていると
どんなに時代は変わると言われても想えない
どうだい ぼくの言っていることが分かるかな ボク