もげた螺旋階段
灰泥軽茶
川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた
私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている
そうっとゆっくり
どっこいどっこい
どこまでも階段は続き空は広く眩しい
少し休憩をしながら街並みを眺めていると
そこはどこだかの大きなニュータウンの屋上
小さな子供がたくさん集まっていて
何やら騒がしい
手に手に賑やかな風船を持ち
ひょいひょいと飛び込んでいき
渡り鳥のように
わしゃわしゃと飛び立っていった
私はあんな風に飛んで行けたらいいなと
よいしょっと
また一段上に足をかけると
川沿いに芝生の上にどてっと転げ落ちた