きんぎょのゆめ
ドクダミ五十号

おとうさま
きんととはどうしてきれいなおべべをきているの?

とうちゃんはおもうんだ
とおく離れた御池に
きんととは居て
落ちてきたもみじをおべべにって思った

おとうさま
がてんがゆきませぬ
裁つ事は出来ませんでしょう

よくぞおもうたな
幸いにもカニと云う生き物が居て
きんととを助けてくれたんだよ

おとうさま
縫うのはだれが

お前は存じないだろうが
その池には柳がある
枝は枝垂れていて
水面に触れる
その枝に一匹の蜘蛛が居てな
とても器用に縫う事が自慢だった

おとうさま
じゃあきれいなもみじのおようふく
くもさんがぬってくれたの

そうだよ
おりこうだね
明日も可愛いきんととに
ごはんをあげて
おまえもたくさんたべなさい

おねんねするまで
おとうさまは
じょうちゃんを
とんとんして
それからきんととを
みまうのでした



自由詩 きんぎょのゆめ Copyright ドクダミ五十号 2013-01-02 18:14:42
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