にがみ
ドクダミ五十号

貴君等はもう御存知だろう

前提として申し上げるを許して欲しい

苦味は旨みとなかが良い

切り離す様な方法をとるべきではない

それは何も食に限っての事ではない

あらゆる事に旨みは存在し

ときに旨みばかりを追求しがちだが

引き立てとしての苦味を排除するのは愚かだ

常に付き従うものは容認されるべきなのだ

きらびやかな旨みに対して

苦味は実に謙虚に存在しようとする

我々の立場からすると

味わいとはベクトルとして美しさを嗜好するが

アクセントが無い美はありえない

そこかしこに存在する苦味の存在価値は

今日も貴君に訴えかけている

何故かを考えるに値すると思う



めざしのはらわたをめしと共に咀嚼しつつ考える

ナンセンスにも程があろうが

お構いなしなのだ

さあ

他にも適用されるかもしれないと

考えようではないか

諸君



自由詩 にがみ Copyright ドクダミ五十号 2012-12-30 11:00:30
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