年賀状
Giton
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二十日に年賀状を書き終った。こんなことは初めてだ
なにをかくそう、きみが宛名書きをぜんぶやってくれたからね
ポストに入れにゆくと丸くて赤いポストはなくてみな四角だった
丸くて赤いポストはどこにあるの?年賀状の束かかえてずっと歩いている
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‘幾重のあえかな氷をくぐり’丸くて赤いポストさがしている
丸くて赤いポストに入れた年賀状はいつ着くかしら?きっと来年まで眠っている
あの人が血を吐いて倒れ ばくだんが沢山おちて家が焼け おおぜいの人が道を埋めて口々叫び
おれが生まれ きみが生まれ 兎以外の動物が月に降り マンハッタンの高いビルに飛行機が突っ込んで燃え
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お待たせしました。これが2013年初のご挨拶です。ぼくらが心をこめて作った年賀状
暖房のないへやで作りました。手がかじかんで、ぶるぶるふるえ、字が波うっていたらばご容赦を
八十の年月かいくぐってあなたに届きましたら、ちよろずの神に感謝を捧げましょう
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歩き疲れた。寒くなった。丸くて赤いポストなんかどこにもないよ
最初に通った駅前にもどって四角いポストにぼこんと入れる紙のたば
涙でにじまないうちに入れてしまおう。雑煮でしみがつくなら本望だ
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