きょうも問う
もっぷ
きみの産声は
午前6時のものだったらしい
かつて手帖があったころ
盗み視た
かすかな記憶
その時きみを照らしていたのは
夜明けという天然のシャンデリア
きらきらとさやかに
祝福はあったのだと信じている
信じている
凪いだ海原をたずねて問う
むくわれるのでしょうか
と
ただそれだけを
生きている、こと
それを続ける、ということ
むくわれるのでしょうか
きょうの夜明けに立ち会ってみれば
これからおとずれる白日は
どうやら陽光とおだやかを
約束しているようだ
きみの産声の日にも約束はされていたのか
問うてみる
誰に
お隣の鉄工場のひと?
向かいのいまは廃業している中華屋へ?
ここ、は故郷じゃない
応えるすべなどない土地柄
愛想笑いばかりが
問う真剣さに立ちはだかって
わたしが立ち去った後には
速やかなる忘却が待っている
だけなのにきょうも、