日々の物語
空丸ゆらぎ
大海原は苦手だ
小さな滝壺を庭にしてひっそり暮らした
時々、「見晴らし岩」に座り、遠くを眺めた。
渡り鳥のような大空は苦手だ
見捨てられた小さな神社が裏庭だった
時々、「千年杉」の枝から遠くを眺めた。
前人未到の山頂は苦手だ
人里から低い山を三つぐらい越えたところが遊び場だった
時々、里まで降り、目を光らせた。
河童と天狗と鬼は、いつものように朝を迎えた。
自由詩
日々の物語
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空丸ゆらぎ
2012-12-24 18:57:06
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