誰にも見えない虹
Lucy

誰にも見えない虹が
君には見えるのだろうか

僕は何十年もかかって
ようやくおのれの目の中の
黒い雲達の正体が
おぼろげに
見えてきたばかりだというのに

僕の言葉は
発音した瞬間に
ねじれ
僕を裏返してしまう

僕は矛盾だらけで
おのれの嘘を見破るだけで
精一杯
もう息が切れてしまいそうだというのに

どんなことがあっても
濁らなかった
まっすぐな君の瞳には
見えるのだろうか

空いっぱいに折り重なる
分厚く黒い
君自身の心の雲の上に
映し出された
虹が


自由詩 誰にも見えない虹 Copyright Lucy 2012-12-20 19:02:42
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