反抗予告
川上凌

リボンという名の首輪を外し
第一ボタンという名の戒めを解く
スカートを3回折って
わたしは走る
この足2本の赴くままに

どこに行くかなんて
私は知らない 君も知らない

ほんの小さな反抗で
まるで世界を征服した気分になる
風が運ぶ プールの塩素くさいのが心地いい

制服という名の型を
学校という名の要塞ようさい
まるで知らないというふうに
私は生きる 今を生きる

先生にも
政治家にも
医者にも
両親にも

わからないこの感情
抱えて生きる 今を生きる

いわば小さな水槽に
放り込まれた金魚のように
苦しみ、もがき 私は生きる

異性を意識しはじめて
外見だけを繕って
いずれ剥げるその赤のうろこ
鋭く乱反射させて





自由詩 反抗予告 Copyright 川上凌 2012-12-19 13:27:17
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