その時のわたし ちょっとだけ 死にたい気分だったわ マジで
和田カマリ

わたしが通っていた中学では
男子大学生が二人
女バレのコーチをしていた

一人はイケメンで
もう一人はブサイク
みんなイケメンが大好き
もちろんわたしも・・・
わたしたちイケメンの前じゃ
若いのにしっかり女だった

ある日ブサイクが
「お前、良い体なのにディフェンスがダメ。俺がレシーブを教えてやろう。」
練習の終わった後
ニコニコと声をかけてきた

わたしてっきりイケメンも
一緒に教えてくれると思って
喜んでブスの軽自動車に乗った
だけどイケメンコーチは
わたし達の車をスルー
ママチャリで先に帰った

今になって良く考えると
どっぷり陽も沈んでから
バレーボールの練習をしに
車に乗っていったい
どこに行くのよって話?

ブサメンはHOTELに着くと
いきなり後から抱きついてきて
耳に熱い息を吹きかると
オッパイを揉み始めた

裸にひん剥かれたわたしは
奴の生の肉バチでお尻のふちを
ビタンビタンと
打ち据えられていた

わたしの子宮の中で太鼓が鳴り出した
ドンドドドン
SEXしてみたいよ
ドンドドドン
SEXしてみたいよ

相手がイケメンじゃないのが
超超残念だったけど
ある意味約束どおりの
レシーブ特訓が始まった

わたし初めてだったのに
続けて3回もやられちゃった
血が出てたのに
3回もやられちゃった
ブサイクな男に
3回もやられちゃった

終わった後もまだジーンと
何かが挟まっている感じがして
前屈みになって内股をあわせてた
ブサメンは能天気に
「そうそう、それがレシーブの基本姿勢だよ!」
タバコをふかしながらほくそえんだ
イタタタ
ブサイクの癖にちょっと
調子に乗ってんじゃない?

それから何度もあの野郎は
バレーの練習後にわたしを
HOTELに誘ってきた
全然うれしかなかったけど
ノリで数回付き合ってやった

そんなある日の事
憧れのイケメンコーチがわたしに
笑いながら声をかけてきた
「君、レシーブうまくなったんだってね。」

その時のわたし
ちょっとだけ
死にたい気分だったわ
マジで

「ホンとはコーチに教えてもらいたかったです!」
あーあ
わたしも何言ってんだか?

「あいつの後は嫌なんだよ、ガバガバでしょ。」
おいおいイケメン君
誰がガバガバだっつうの?

「ガタイの良い君には、あいつのスパイクがお似合いさ。」
だって・・・

イケメンとの恋のレースから
完璧にコースアウトした瞬間だった


自由詩 その時のわたし ちょっとだけ 死にたい気分だったわ マジで Copyright 和田カマリ 2012-12-18 19:22:45
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