——拡散——3千年後の神々——
星☆風馬

とぎれ、とぎれ、わたしと君は少しずつ
わたしと、君たちは、少しずつ、とぎれ、とぎれ、とぎれとぎれ
元に戻らない、元のままには、崩れ、崩れ、崩れ、崩れていく
1つずつとり外して、わたしたちは欠けていく
どんどん外れていくね
あそこにもある
あそこにも、あそこにも、わたしの断片が
これは君の耳だ
これは君の履いていたくつ
くつ下のにおい
いろいろなにおい
3千年後にわたしたちが滅びたあと
わたしの分身が君のにおいをかぐ
わたしはこのにおいを知っている
それは君のにおいだ
今、わたしは君のにおいをかいでいる
これは君のにおいだ
君の書いた文字
これは君が3千年前に書いたもの
滅びた文明のもう残っていない言葉で
栄え、栄え、夢か、そのような町の、光ばかりの、幻ばかりの
たくさんの詩を読んだ
たくさんの物語が書かれた、それらは全部神話になって
とぎれ、とぎれ、断片になり、わたしたちを包みこんでいる
ぼくは、ぼくは、ぼくは、ぼくは
君にもわからないだろ
何がなんだかわからないだろ
みんな忘れていく
忘却のかなたへ、わたしも、君も、再び乗っていこう
雲のように
空のように、はてしない、ピッ、ピピッ・・

ピッ、ピッ――

また会ったね、おはよう
わたしたちは出会う、いつか
いつだって?
時間が忘れられようとしていた、年をとらなくなったんだ
あなたたちの世代はすごく早い
次々に回転していく
このまえ生まれたあなたが、また生まれようとしているね
(近い世代で展開しています)
ここらへんの歴史に凝縮されてるんだな
近い血縁も不思議だ
君たちは近親相姦をくり返す、良質の悪性遺伝
次々に世代が展開していく
まわすんだ歴史を
偉人を、ワレワレを救う偉人を!
だれもが叫び、望む、ワレワレの物語
たくさんの詩が断片が集められ、再び編集されようとしている
わたしたちは確実に活性を始めていた
神話の言葉が沸騰している
我々の血がさわいでいる
君、君、君、どこにいるんだ
こんなときに
君、君、必要なときにいないなんて――
//もう少しお待ちなさい
///会うことになっているはずだから
//星が、今日はどうしても輝きすぎる
/だから人恋しいのでしょう?
//あなたは光りすぎている
///////ますます
//////////////強度を増すでしょう

///ア//ア/ア、イ、ウ、・・・

見つけた、やっと会えたね
ええ
再び
わたしたちはくみ込まれていく
のみ込まれていく、幻想から、幻想のただなかへ


2006/7/12作


自由詩 ——拡散——3千年後の神々—— Copyright 星☆風馬 2012-12-17 22:43:28
notebook Home 戻る