花に埋もれる
高瀬

騒めきを静めるように
掻きならす
腕にたくさんの糸をつないだ
はずだった、気づけばほつればかりで
抱かれた幻想に惑う
声すら届きもしないのにこんなにも
頼りない宛てに頼るなんて

美しい破片を見つけては
ただ唇を噛みしめた
ちがう、ちがうと否定して
ほつれたちもそのままに
重たい身体を引きずるよう歩いた
意味もなさないものたちに
もうわからないと呟いて
冷ややかな溜息を吐ききったらば
わたしはわたしになれるのか

ゆるしたいゆるされたい
掠れてしまうのどでは
うまく紡げなくて
それでも、それでもと繰り返し
踏みこえても踏みこえても
いつかの先に

、呼吸を失くしたきみを沈める
その腕に抱えた
花束ならよかった


自由詩 花に埋もれる Copyright 高瀬 2012-12-17 20:09:32
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