部屋と椅子
はるな
ほんとうにさまざまな椅子があります。家具屋
わたしはひとつに腰掛けて
にっこり笑う。おそれる
広いまどには一羽ずつ天使が張りついて季節を監視しているので
おそれる。
とるにたらないことだと、撫でている手
違うと言えないままほかの椅子にうつることができない
おそれる人々 天使
窓
夜がこってりと部屋を照らしている
わたしはもう二度と
出ていかれない
空はあたらしいやり方でひろがる。
もう舟は
舟ではなくなって
すこしずつ
意味が
平らになる
平らになる。
それは
いつもひとつの椅子にしか
掛けられないこと。
似ている
似ている、と、
指さす天使がばらばらに
飛び回り
それが
空だったと
わかるまで。