葬列
衣 ミコ
革命を誘う流行歌に
追われるように町を出た
急ぐ鼓動に縋りつく
取り残された想いを
繋ぎとめる術さえ知らず
繰り返す季節の中で
眩しそうに笑う
赤く火照ったあなたの目尻を
忘れない
故郷を目指す黒い足の
最後尾から夜空を見上げれば
白い吐息でポラリスが霞んで
理由もなく込み上げる嗚咽を
胸元に抱きしめた
古いトランクの中で
小鳥の躯がカタコトと鳴るたびに
これが葬列だということを
思い知る
自由詩
葬列
Copyright
衣 ミコ
2012-12-13 03:36:15
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