じぶんとなにかの境界線
miruki

レースのカーテンを
くるっと頭に巻いて
わたしは花嫁さん

バラの模様のテーブルクロスを
ふわりと羽織ると
わたしはお姫さま

お手伝いようのほうきに
さっとまたがると
わたしは魔法使いのおばあさん


わたしはまだ幼いから
何にでもなれちゃうの


甘い匂いに誘われて踊れば
わたしはちょうちょ

野原にちょこんとしゃがんで
わたしはお花

芝生の上をたーっと走って
わたしは風


幼いわたしはまだ
なにものでもないから

いつだってすぐに
何にでもなれちゃうの


幼いわたしはまだ
誰も何も決め付けないから

いつだってすぐに
なりたいものになれちゃうの


じぶんとなにかの境界線
そんなものどこにもないから

じぶんがなりたいものに
からだいっぱい
こころいっぱい
なっちゃえばいい


自由詩 じぶんとなにかの境界線 Copyright miruki 2012-12-11 13:34:24
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