三等星
衣 ミコ

もうずっと
ぼくの肩に羽を痛めた鳥が止まっていて
まるでささやかなおとぎ話みたいだと思う
なのにぼくときたら
宝石も剣も持ち合わせてなくて
ひとつだけ残っている
鉛のこころくらいはあげられるかなって

考えて
やめて
考えて
きっと
やっぱり
やめるんだけど、

去りゆく人は情熱という想いを残すという
憂鬱な世界のしきたりに逆らう
黄昏色をした沈む太陽の靴音を聴いていたい
愛だなんて難しいことは分からないけれど
トゥレイス、きみの魂の音に少し似ているから
それだけじゃ駄目かい


自由詩 三等星 Copyright 衣 ミコ 2012-12-08 04:48:15
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