リンガーテーブル
カマキリ
振り返ってみるとそこまででもない道に
たくさんの足音が降っている
身を切るような寂しさは僕を離さないように
痩せた木に大きな目印をずっとつけてまわる
ねぼけながら真ん中のイスに深く腰掛ける
まだ暖まりきっていない部屋の中で
騒音をまきちらしながら
杭で打ち取った生活をゆっくり沈めていく
もう少し意識をはっきりさせるために
凍りついた玄関を蹴り倒すために
テーブルの上に向かって鈴を鳴らす
そこにあるものにフタをして
何も知らなかったように鈴を鳴らしている
自由詩
リンガーテーブル
Copyright
カマキリ
2012-12-04 19:14:13