間欠
佐藤真夏
1
眠るってなんなの
とても
生きているとは思えないほどの平穏だろう
なにも知らなくてもわかる
静かなことはわかる
2
目を覚ますと
ありとあらゆる音が聞こえ始めて
驚きもしないくらい
自然な
おはようおやすみ
聞こえ終わって
視聴覚が封じられた夜
まぶたのうらに
ぼんやりと浮かぶ空には
時間が失われていることを知るのです
再び時のなかに目覚めて
3
青くてきれいな惑星が
まぶたのうらに降っているよ
こわれながら
展開されて
それはそれはこの世のものとは思えないほどの輝き
わたしはわたしの持てる息のすべてを
ごくりごくりと飲み干し
そして
青い星から滝のようにこぼれ出す海原
こんなにもつめたく満たされるおはようこんなにも朝こんなにもゆめ