月が隠れている夜は
kauzak

月が隠れているこんな夜は不穏
雲間から微かに漏れる月光が狂わせる
人も獣も機械も大地すらも
何が起こっても不思議じゃない

当たり前のことだと君は言う
四十五億年の時を刻んだ地球からすれば
たかだか数千年のヒトの文明など一時のこと
まして人の一生など刹那のことで

僕たちが知る地球はほんの一部であって
地球の持つ力の大きさは常に想定外
なのかもしれないのだから
ヒトが考え付くことなど簡単に起こりえるのだ


月が隠れているこんな夜は不穏
なのではなくて
地球という圧倒的な存在の前では
ヒトなんていつも不穏な位置に立たされている

そのことを分かっていたはずだったのに
いつの間にかのぼせ上って
地球と対等な立場で勝負を挑もうとしている
本当は勝負にならないのに


自由詩 月が隠れている夜は Copyright kauzak 2012-11-29 22:23:38
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