snowfall
mizunomadoka

彼女の背後に男が立っていた
時間も場所も分からない

男は小さく手を上げる
さよならするみたいに

彼女はふりむいて、誰かの名を呼ぶ
雪の下にビスケット缶が埋まっている

破れた写真を離すと
男は消える

彼女はもう手袋をしている

それから雪が降り始める






自由詩 snowfall Copyright mizunomadoka 2012-11-28 10:00:51
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