snowcemetery
mizunomadoka
彼女は雪の墓地に立っていた
長かった髪は短く
麦畑のような輝きはもうない
ビスケット缶を持つその手だけが
昔のままだった
膝までしかない小さな十字の
雪を払い
彼女は遠くを見つめていた
彼女の手は
氷のように透明だった
枯木が
寄り添うように傾いていた
自由詩
snowcemetery
Copyright
mizunomadoka
2012-11-28 09:59:25