病床
村正

布団でまつ訪問者は

気まぐれで出ていった

不満は循環にやどる

孤独の添い寝に気がつく


ひとりごとはひとりじゃ、ないから

ふさいで側にいてくれ

視界の中で魚になる

自意識のホログラムをみた


電灯と天井の世界で


懐かしくきこえる声で

息継ぎを思いだす

不気味な色のケーキは

なによりも優しかった


気休めはもてあます

皮肉をぶつけては追い払え

歪まずとどいたそれに

黙りこんでしまう


コイントスだらけの世界で


布団でまつ訪問者は

気まぐれでかえる

頼りない呼吸と

手をつないでいる


孤独は気まぐれで出ていった


自由詩 病床 Copyright 村正 2012-11-27 01:49:21
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