日常の感覚
もっぷ

行方不明者たちの吹き溜まりに身を寄せて
風の声を聴いていた
あの日
この日

ふるえる 空に
差し伸べられる 幾千の手のひらを
知っている
覚えている

立ち寄っただけの ほんの
軽い気持ちは
許されず

ふいにわたしの腕も 何ものかに取られ
驚くほどの高速で 天に
向けられたこと

だけを
いのちの証しに遺し

どうやら


経ったみたいだった
数分




自由詩 日常の感覚 Copyright もっぷ 2012-11-23 14:58:56
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