スタンドアローン
村正

真剣さの重みで
天秤が壊れた
代わりを踏みにじって
俺たちは忘れる


先へ行くといい
急がずに
安らかなそれをここで待つ
どれだけ叫んでも
鏡にはもう映らない影と
変わらない君をみた
白旗を携帯している
俺にはもう、なにもない


探しに行くといい
焦らずに
君は誰かと生きていく
どこまで歩いても
鏡にはもう映らない俺と
強くなった君をみた
記憶が枷になっている
未来がもう、おちぶれる


ミキサーにかけられた
感情がはじけ飛んだ
憎しみは埋まっている
寂しさは散らばっている
悲しみに覆われている
喜びは浮かんでは沈む


耳鳴りと

最後の

君を

抱いた

映像と

さよなら

君は誰よりそうあった


どこまでも付いていくという、嘘


簡素な終わりと
どうでもいい始まり


俺は誰よりも
君と家族になりたかった


自由詩 スタンドアローン Copyright 村正 2012-11-21 01:31:26
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