753
月乃助


もう その部落は

どこもかしこも 廃屋の群れで

蹴破られた雨戸の おくの闇に

置き去りにされた 悲しみの

諦めらしきものが うごめいていた

秋の透度をました 

清流の音

川底を染める 紅黄葉たちが

やってきた冬の 水のつめたさに

耐えています

目にするのは キジとアオサギ

ススキ野に 家の数ほどの古い 墓ばかり 

神楽月の吉日

晴れ着の子供たちの わらいごえ

街の神社は、

祝いに賑わう日 ??3

形而上学的な 記号の」ような

数字の羅列に 

解きあかす

何かの啓示を どこか遠く

イノシシを追う猟師の 犬の叫び声をききながら

さがす 








自由詩 753 Copyright 月乃助 2012-11-19 21:15:55
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