少年
村正

知らないところにはすでに
夢をみたりしない
傷跡からは、もう
記憶をたどらない


早熟の振る舞いにはじきに
合点がいったよう
逃れる方法を、こう
明日も咎められるまで


涸らして捉えた言葉に
血まみれのふたをした
頷いていたかったのだ、そう
許していたかったのだ


墓には縁がない
たぶんこれからも


リビドーは尽きない
可能性を頬張っている
今日はどこへと、とう
ただ笑ってしまう




少年はまだ
生きているだろうか


自由詩 少年 Copyright 村正 2012-11-19 03:17:19
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