冬とまばたき
木立 悟







望まれてあなたの髪に入る冬



待つことも降ることもなし神帰月



呼べば降る呼ばずとも降る鬼火かな



骨の冬気付かず歩み骨となる



器たち五本の指のあたたかさ



おまえの背おまえの風が冬を描く



肉色の鳥の群れ撲つ朝陽かな



誰もみな野を見ずに吹く冬を吹く



傷を越え吹雪を越えて神楽月



髪のなかあなたのまぶた聴いている






















俳句 冬とまばたき Copyright 木立 悟 2012-11-16 02:03:29
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