どこかの友へ
たまごボーロ
昨日はどうやら生きていた。
今日もなんとか生きている。
明日も運が悪くなければ生きてるだろう。
日々の生活で浪費してるのは、酸素ぐらいなもので。
つまならないことも、くだらないことも、
たまに飲むビールに比べれば、どうって事はない。
トイレットペーパーの芯のような人間関係は、
少し力を入れれば潰れてしまって、
覗いてみればいろんな事が筒抜けだ。
愛想笑いと本音と建て前は、
うまく使いこなすにはまだ、半人前で。
頭をもたげたとき脳裏を過ぎるのは、
理由も付かない漠然とした不安。
アンニュイな気分と対を張る、
これでもかと前向きな音楽が、テレビから流れてくる。
未来に向かって、希望を持ってと、
どうか、他をあたってくれないか。
そんなに一生懸命愛について語られても、
息が詰まって死んでしまう。
暗い部屋にライトのスイッチを自分で付け、しばらく立ち尽くす。
物事を深く考えてしまてば、
きっと、世間一般の言う希望ってやつを無くすだろう。
昔のように自分の名前を呼んでくれる人達は、
この街には一人もいない。
嗚呼、それでも今日はめぐってる。
明日も必ずやってくる。
なぁ、独り身で歩くには、ちとデカい街だよ。
人は溢れるほどいるのに、誰一人とて孤独な街なんだ。
お前さんも、この街によく似たどこかを歩きなすってるんだろう?
孤影は遠くへ。
街のネオンはこんな近くへ。
今日も、ファンヒーターのスイッチを押した。