水と山
逢葉優
山を捌け入り 深水を欲する
大樹に覆い茂る緑の苔は
年を経る毎にこびりつく
生きて動くものは皆無
餌になるような食物も霧中
小さな足跡を探し彷徨う
足は高度を上げるが
空気は淀み 辺りの明度は落ちる
耳はせせらぎを探すが
熱い呼気が障りとなる
枯れ枝の合間から
降り注ぐ懺悔の声
耳を澄まさずとも解る
悔やむ己の声
白む意識
深みに嵌り
高みは止み
自由詩
水と山
Copyright
逢葉優
2012-11-14 14:59:26
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