甘い毛布
灰泥軽茶

押入れの毛布にくるまり

ロールケーキのようだなと

とろけるように目を閉じ

甘い夢を見る

お菓子の家は飽きたから

寿司ネタにしてくれと叫んでいる

小学生の私

そうしたら好物のはまちを頭に乗せた

ぐずぐずのシャリでできた車がポロポロご飯粒を

落としながらやってきて大喜び

けれども醤油がない

誰かの家にかけこみ

いたる所お菓子でできた戸棚を開け

醤油を必死に探すが

どこにもなく

ウエハースでできた押入れの戸をあけると

ロールケーキで巻かれた人々が

ぎゅうぎゅう詰めで嬉しそうに

眠っている





自由詩 甘い毛布 Copyright 灰泥軽茶 2012-11-11 08:05:20
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