小さなことからコツコツと
ただのみきや

ラジオで誰かが言っていた
「小さなことからコツコツと」を
「小さな琴から骨骨と」なんて変換していた翌日
ご近所でお骨発見のニュース

家族すら知らないうちに家の中で骨になるのなら
たぶん友達もいなかったことだろう
なんと悲しい孤独な死に様か

だが白骨はカラッとして恨みがましくもなく
どこか穏やかだ
見つけた方は驚くが
当の本人は嫌な顔一つせずに静かなものだ

孤独も死も悲しみも
すべては過ぎ去ったこと

残った家族は取り調べられて
あれこれ非難もされるだろう
近所には気味悪く思う者もいれば
お化けが出るとか子供の噂が流れるだろう

そんなことなどまるで意にも介さず
躍動的静止 時の結晶
枯山水の一部のように
骨は静かに語りかける

「あれこれ悩むのはやめなさい
 やがてはみんな同じになる
 なあに ちょっとの辛抱さ」 






自由詩 小さなことからコツコツと Copyright ただのみきや 2012-11-11 00:37:56
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