幸いの色
木の若芽

「幸いの色」
             木の若芽


心の宇宙に耳をすます生活を
島の人のように
山の人のように
湖の人のように
森の人のように
川の人のように
心の宇宙を通って大宇宙とひとつになる生活を
木のように
水のように
光のように


花の終るころ
夢のような宴は終り
なにかがほんとうに始まる
いさぎよく


いのちはとうとうと流れを増し
その力はなめらかにみなぎり
万物にしみこんでゆく
きびしい寒さが来る前に
もう一度動き出すいのちの力


あなたのいのちを感じさせてください
あなたの心を聞かせてください
あなたの力をそそいでください
どうか
わたしのいのちを感じてください
わたしの心を聞いてください
わたしの力を受けてください
そう自信をもって言えるようになるために


わたしであることを忘れて
わたしがあることをなくして
あなたにすべてを与えたい
わたしのなかにある幸いすべてを
わたしのできる幸いすべてを
わたしのあげる幸いは緑色


傷つき癒され 傷つき癒され
そしてまた 傷つき癒され
やがてわたしは
充実し満たされる喜びを知り
満ちる大切さを知って
もっと満ちてあふれて
いつかまわりを癒したい



自由詩 幸いの色 Copyright 木の若芽 2012-11-09 16:23:35
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