絡まったあやとり。
元親 ミッド

色とりどりの家屋の間から

寒そうに青褪めた電柱が

天に向かって一斉に

我も我もと、腕を伸ばしている。

十一月の風は冷たかろうな。

そうして彼らは、その短い指で不器用にも懸命に

このところずっとあやとりにご執心。

しかしながら黒いあやとりの紐は、

煩わしくも複雑に、からまってしまっていて

あちらこちらで、こぶになってしまっていて

どうにもこうにもいかなくなって

とうとう、攣ってしまって

肘も曲がらなくなってしまった。

その様が、ちょいと可笑しくて

月が白い顔して笑ってやがる。

とある秋の午前十時。

猫が側溝の際で、あくびをしている。


自由詩 絡まったあやとり。 Copyright 元親 ミッド 2012-11-07 22:33:07
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