言葉を放つ
灰泥軽茶

同じ言葉でも

私が放つ言葉と

あなたが放つ言葉は違う

私が放つ言葉でも

時と場所でとても違う

しかし言葉は私に

それぞれ違う形や色を見せながら

少しずつゆっくりと

丸いボールのような私の心に

ヒタヒタとたまっていき

ひとつの魂を形どっていく

時にはただとおりすぎ

蒸発して雲になって雨粒ひとつ

ひゅうっと落ちてきて

私の頬を打ったとき

初めてわかる言葉や

時には放たれないままずうっと

静かな光を帯びて眠っている言葉もある

だから私は言葉を放ち

時には歌い

時にはずうっと念じて

言葉の感触を楽しむ












自由詩 言葉を放つ Copyright 灰泥軽茶 2012-11-07 02:46:25
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