君へ
田園

君と僕



君の手のひらに収まっている小さな飴玉の屑は
きっと僕の心臓に近いものなのだろう
君への気持ちは愛でも恋でもなく
単純で複雑なものらしいので今でも僕は説明が出来ない
だけどこれだけは分かる
君も僕も足掻いて生きている
ときに笑いときに失い
それでも僕たちは生きているね
とても綺麗な景色を見たよ
カメラでもあったら君に絵ハガキを送ったところだけど
僕はそんなものはもっていない
だから君も見ていたと信じている
嫉妬や羨望がすべて消え去って
残ったのはとてもシンプルな喜び
飴玉は美味しかったかい
その屑は捨ててもいいけれど
それに似た僕がいたことを
いつか思い出してほしい
僕はいつか消えて無というものになるのだろうけど
そしてもしかしたら君が先に逝くかもしれないけれど
少しだけ君と生きた僕を
たまにでいいから振り返って



自由詩 君へ Copyright 田園 2012-11-05 16:21:11
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