凍える街と雲と指先
元親 ミッド

朝。

寒い。

ひたすらに寒い。



朝焼けの街がくっきりはっきり

オレンジ色をおび

生活のささやきがあちらこちらに

聞き取れる頃。



肌に刺さる空気。

街はまるごと冷凍でもされていたかのように

凍てつき固まっていた。



結局

夕べは何らかの夢を見たのだけれど

それがどんな夢なのか思い出せない。



そんなもんだよねぇ。

僕らの日常なんてさ。

すぐに忘れて消えちゃうんだよ。

雲が紫色をしていた。

それは

寒さに凍える唇を思わせた。



あたたかい飲物を

飲みたいなぁ。

できれば味噌汁なんかいい。

そんな事を思った。


自由詩 凍える街と雲と指先 Copyright 元親 ミッド 2012-10-31 21:25:58
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