最前線、
nm6

夕、の
色褪せた


暮らし術が浮遊する書店をあとに
ネクタイが黒光る昆虫にもたれかかられ
車内から逃亡する方法を探し
散在する吐露をいぶかしがりながら
圧し焼ける空がつぶれ落ちる坂道によろける


最前線が迂回して
立ち位置を放棄して
鳥を見た
空が、久しく明るくなれば


ぼくはリピートしない
イメージを頂点に放り投げながら
目の前を伸ばす腕に蔦がからまっていく妄想に
とりつかれたきみを遠くへと持ち去っていく


車内に散在する吐露に
冬の
圧し焼ける空がつぶれ落ちて
最前線が迂回して
最前線が迂回して
夕、の
色褪せた坂道につまづいてよろける、


ぼくは


自由詩 最前線、 Copyright nm6 2004-12-17 11:41:22
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