不可解な調和
木の若芽

「不可解な調和」
               木の若芽


青空が明るく楽しければ
その夜の暗闇は深く美しいでしょう
木が輝いて見えれば
星もさんぜんとまたたくでしょう


 
コンピューターや電気機器で
世界が近く小さくなる 短く速くなる
でも 世界は遠く大きいほうがいい 長くゆっくりなほうがいい

 

まるい山に まるい月
枯れ木もまるく 鳥もまるい
まるい巣にまるい卵
風がきて花が散る
空に流れる川 まるい山に落ちて
縄文の人が歌を生む
弥生の人が舞いを生む

わたしの目はまるい 心もまるい
でも小さい
遠いむかしを思って広がれ
今を突き抜けるほどまでも



平和な心で
夢と現実の境がかき消える
うららかすぎる目をしているとあやしまれても
夢の森を歩きつづけ
木と鳥と遊びつづけ
その歌ばかりうたいます
 

はなれていってしまうのですか
あなたも
わたしはそんなに不可解ですか


自由詩 不可解な調和 Copyright 木の若芽 2012-10-30 15:04:27
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